日本のこよみでよく見かける「土用」という言葉。
現代では「土用の丑の日うなぎの日」でお馴染みとなっている期間ですが、
実は開運にも欠かせない季節行事なのです。
この「土用」の意味を知って、幸運のために活用してみましょう!
「土用」の期間とは
東洋占術や東洋医学で使われている「陰陽五行説」では、
万物を「木・火・土・金・水」の五つの属性に分類します。
この考え方は季節にも適用され、それぞれの季節を五行に沿って分類していくと、
木:春 = 立春から約73日間
火:夏 = 立夏から約73日間
土:季節の変わり目 = 土用期間あわせて約73日間
金:秋 = 立秋から約73日間
水:冬 = 立冬から約73日間
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合計約365日
という分割になります。(年により1日程度の増減があります。)
立春などの「四立」は約3ヵ月ごとのスパンで巡り、これが「四季」の区切りとなりますが、
この「四立」前の約18日間を季節の変わり目の時期と考え、
それぞれ各季節の「変わり目」に相当するこれらの期間が「土用」となります。
ですから、この「土用の期間」は年に4回あり、
- 春の土用:立夏前の約18日間(4月後半頃)
- 夏の土用:立秋前の約18日間(7月後半頃)
- 秋の土用:立冬前の約18日間(10月後半頃)
- 冬の土用:立春前の約18日間(1月後半頃)
となり、合計で約72~73日間存在します。
運気における「土用」の意味
土用の期間は、陰陽五行説で「土の気」が宿る季節とされています。
「土の気」とは、境界と極を同時に意味する「繋ぎ」の気で、
国境や天候の変わり目となりやすい「山」に例えられる「陽の土」と、
最も低い土地に作られやすい「畑」に例えられる「陰の土」の二つの意味があります。
一年に4回ある土用のうち、4月・10月の土用は「陽の土の気」を受け、
寒暖の変わり目の時期という意味を持つため、気温差に注意し、
体調を管理するとともに、季節の変化に合わせて衣替えや家具替えを行う時とされています。
1月・7月の土用は「陰の土の気」を受け、
暑さ・寒さが「極」に達し、最も厳しくなる時期という意味を持ちますので、
体調や住環境を季節に負けないよう、整えてゆくべき時とされています。
「土の気」は「安定」という意味も持ちますが、
季節の変わり目は心身ともに不安定になりがちだからこそ、意識的に注意を払って
体調や暮らしを調整するべきときである、とも言えます。
運にやさしい土用の過ごし方
基本的に土用は「禁忌」のほうが多いしきたりです。
季節の変化点は運気も不安定になりがちだからこそ、目立った行動や新しい物事は避け、
「守り」の姿勢でいることが大切だということです。
ここでは、一般的に「してはいけない」とされている事と、その理由について解説致します。
土用中に避けたいこと
ガーデニング・土いじり
土用の言われの中で、最も有名なのがこの「庭仕事を避ける」というものです。
土用は「土の季節」なので、土を動かしたり、掘り返したりすることを嫌うため、
期間中はなるべく「土そのもの」に触れないようにすべきと言われています。
引越し・新居の契約
方位術や風水では、土の気は「土台」「安定」「人生の基盤」などの意味を持ちます。
そのため、土の季節である土用に生活の基盤である「住居」を変えることは、
安定すべき場所を動かすことになり、良くないものとされています。
転職・入籍
同じく、生活や人生の基礎となる仕事や家庭、氏名に変更を加えることは
本来「落ち着いてほしい部分」を動かすことになるため、
土用期間中に行うのには適していません。
開店開業・その他新規事を始めること
こちらも同様で、土用期間中は新しい事を始めるにはあまり適しておらず、
この時期は土の気の「変化」の影響を受けやすくなるため、
新規事をスムーズに進めるためには、良い時ではないとされています。
ピアッシング・手術
「基礎」の気を持つ土の気は「健康」や「体そのもの」も象徴しています。
そのため、体に穴を開ける行為や体を切る・縫う行為などは
緊急性がない限り、避けるほうが良いとされています。
特に言及はされていませんが、この理屈だとタトゥーも避けたほうが良いと思います。
土用殺方位への旅行・長距離移動
土用期間中は、土用殺という特例的な凶方位が発生します。
土用殺の方位は季節によってそれぞれ決められていて、
- 春の土用は南東
- 夏の土用は南西
- 秋の土用は北西
- 冬の土用は北東
となっています。
土用殺方位は、五黄殺と同程度の凶作用があると言われていますので、
できればあまり使いたくない方位です。
回避策と適していること
土用期間中はどうしても「してはいけないこと」のほうが多くなってしまうため、
もしも禁忌がご予定と重なってしまった場合、気になる方もいらっしゃると思います。
そこで、一般に「回避策」として伝えられている事や、
土用にこそやっておくと良い行動もお伝えさせていただきます!
間日(まび)を利用する
土用の期間には、間日(まび)という土用の効果を受けにくいとされる日が存在します。
間日は季節と日の干支によって決められていて、
- 春の土用は巳・午・酉の日
- 夏の土用は卯・辰・申の日
- 秋の土用は未・酉・亥の日
- 冬の土用は寅・卯・巳の日
となっています。
古い時代には、土用期間中の農作業は間日を選んで行われていたようなので、
どうしても引越し等の避けられない用事がある場合は、間日に調整するのも良い案です。
手袋を使って作業をする
土木工事業や農業など、業種によっては普段から土を触るうえに
土用だからといって休むわけにはいかない状況の方もいらっしゃると思います。
そういった場合は、作業をするときに手袋等を使用して
直接土を触らないようにするといった対策法もあります。
手袋の着用は「安全」という面でも大いに意味がありますので、
特に「運気が荒れやすい」土用の期間中は、ぜひとも手袋を使うことをお奨めします★
食生活を見直す
陰陽五行説での「土」は、胃腸や脾臓といった消化器系に対応し、
人間の欲求の中では「食欲」を象徴しています。
ですから、土用の期間は特に食生活に注目し、規則正しく食事を取ったり
今の体に合った内容に食生活を変えてみるなど、食からの健康に気を付けてみてください。
特に、東洋医学での「土」は「甘いもの」と「黄色いもの」に対応していますから
- はちみつ
- さつまいも
- かぼちゃ
- とうもろこし
- 黒砂糖
などの食材を積極的に取り入れてみてください!
「土の季節」は調整のとき
季節の変わり目に体調を崩す人が多くいるように、
土用という時期は、心身にも運気にも不調が現れやすいときです。
見えにくい不調が表に出てくるため、どうしても「してはいけないこと」が多く伝えられ、
それによって、土用に対し身構えてしまいがちですが、
本来の意味は「変化に合わせて、身の回りを調整する」時期ということです。
この大切な、年に4回訪れる「土」のシーズンを、ポジティブに活用してくださいね!
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