2020年5月23日の新月から、6月21日の新月までの期間は
旧暦での「うるう月(閏四月)」となります。
実はこの「うるう月」、2017年以来の3年ぶりに訪れたものなのですが、
これはどのような意味を持つのか、開運の観点も踏まえて解説いたします!
うるう月とは
日付の差を修正するためのもの
月の満ち欠けに合わせて一か月を決める「旧暦(太陰暦)」では、一か月は約29日となります。
そのため、旧暦の一年は354日となり、実際の一年=365日に比べて差分が生じてしまいます。
そこで、この差分を調整するために設けられているのが「うるう月」なのです。
この「うるう月」を使わなかったらどうなるかというと、
太陰暦では、現在採用されている太陽暦より年間で11日不足するわけですから、
これが続くと毎年少しずつ、月に対する季節がずれていってしまいます。
すると、約20年後にこよみの上で夏と冬が逆転してしまい、1月1日の元日が真夏になります。
このように、月が示す一か月と実際の季節のズレを調整するために、
旧暦の時代に用いられていたこよみの換算方法がうるう月なのです。
訪れるのは約3年に1度
うるう月が現れるのは19年に7回で、これはほぼ3年に1度のペースとなっています。
旧暦(太陰暦)は、新月を一日として月の満ち欠け一周を「一か月」としたものですので、
うるう月が発生する年は太陰暦で一年が13か月となり、
ほとんどの場合、太陽暦での一年間に新月が13回起こる年に訪れます。
うるう月の決め方
この「うるう月」がどのように決められるか、また、なぜ2020年の場合は4月になるのか、
その基準となるのが「二十四節気」という季節指標によるものなのです。
「節月」を使って調整
旧暦が使われていた頃の日本では、同時に「節月(せつげつ)」が使われていました。
節月とは、春分や夏至などの「二十四節気」を基準に区分された暦で、
季節の移り変わりを基準としているため、年によってズレが発生しにくく
カレンダーとしての旧暦と併用し、農業暦などに利用されていました。
「二十四節気(にじゅうしせっき)」は、太陽横径(地球の公転軌道)を24等分したもので、
太陽の一年365日を24等分しているため、必ず月に2日、二十四節気の日が存在します。
このうち、月の初旬のものを「節気」、月の後半のものを「中気」と呼びますが、
この「中気」が、うるう月を決めるための鍵となるのです。
中気が欠ける月が「うるう月」
二十四節気は太陽の動きに基づいているため、現在の太陽暦のカレンダーと同様に
一年に24の季節指標が、毎年ほぼ同じ日に訪れます。
これに太陰暦の月を当てはめていくと、当然少しずつずれていきますので
新月が13回になる年(太陰暦で13か月になる年)に、
一か月に2つ入るはずの二十四節気が、1つしか入らない月が出てきます。
この月が、うるう月となるのです。
このとき、「節気」ではなく「中気」を含まない月をうるう月と決めますが、
節気は節月において「月の変わり目(一日)」を表す日となりますので、
節気が含まれない月というのは作ることができません。
2020年の場合は、5月23日の新月~6月21日の新月(の前日)までの間に、
節気の「芒種(節月で6月の始まりの日)」は含まれますが、中気が含まれないため
この一か月が「閏4月」となります。
運気への影響は?
一年に同じ月が二度、しかも3年に1度となると、何か特別な意味があるように思えますが、
結論から申しますと、うるう月自体が運勢に影響することは特にないとされています。
四柱推命や九星気学などに用いる暦は節月が主なので、うるう月による影響を受けません。
ただ、宿曜占星術や紫微斗数の太陰暦を採用している流派では、
「同じ月が2回来る=同じ運勢が2回来る」と見做して占います。
そのため、2020年だと4月23日~6月20日まで、同じ運勢が続くということになります。
占星術では、13回の新月がある年は
「2度の新月が起こるサイン」を重視し、その年はそのサインが強められるとされています。
今年は、かに座で2回新月が起こりますので、
かに座の特性が協調された年になると考えられています。
3年後にまたお会いしましょう
前回のうるう月は2017年9月で、次回は2023年3月になります。
2020年の「5月にうるう4月」は、歴史上でも珍しい並びのうるう月なので
せっかくの貴重なこよみ、楽しんで過ごしてみてくださいね!
こんな記事もあります♡旧暦と節月に関して詳しく解説した、実は今回の前フリ記事です!